MESSAGE拠点長挨拶

本拠点では、未利用資源を発掘し、それを利用するための新技術や新システムの開発を行い、そしてそれを使う人々の教育を通して、市民全員で新たな資源・エネルギーを共創することを目指します。

「日本は資源・エネルギーが豊かな国であるか?」と問われれば、大多数の人が「No」と答えるのではないかと思います。実際、私たちは、資源・エネルギーを国外に大きく依存しています。また、最近の新型コロナウイルス感染症の流行、戦争、自然災害等によって、資源・エネルギーの高い国外依存度の問題が、普段の生活における身近な脅威として顕在化しています。このような状況が続けば、日本に安心安全で持続可能な社会は実現しないだろうし、この状況を次世代に引き続いではならないという思いから、産学官民が一丸となって、この問題の解決に取り組む拠点を名古屋大学にてスタートしました。

利用可能な資源・エネルギーを増やすには、その「消費量を減らす」か、「生産量を増やす」しかありません。通常の生活では常に「消費」を伴うので、昔からリサイクル、リユースや節電等を通して、省エネや省資源の重要性について、広く理解されているといえます。一方、「生産」について、普段の生活における取り組みはどのようなものがあるかというと、それほど多くのものがありません。しかしながら、「消費」は、物質やエネルギーを変換し、別のものを生み出すものでもあり、もしこれを利用可能な資源・エネルギーとして循環させることができれば、普段の生活の中で、資源・エネルギーを「生産」することになります。もちろん、これを単なるレトリックではなく実効性のあるものにすることが必要であり、それが本拠点における取り組みです。

本拠点で掲げる「変環」とは変換と循環をかけ合わせた言葉で、従来の生産→消費→廃棄の概念を変革し、市民全員が生産者になることを示すキーワードになります。ガス・電気・熱を中心に我々が取り扱える形の資源・エネルギーについて、ハード・ソフト両面での革新を行い、未利用資源を発掘し、それを利用するための新技術や新システムの開発を行い、そしてそれを使う人々の教育を通して、市民全員で新たな資源・エネルギーを共創することを目指します。本拠点では、市民全員が何らかの形で、資源・エネルギーの生産者となり、「日本は資源・エネルギーが豊かな国であるか?」との問いに、「Yes」と答えられる未来の実現を目標に活動していきます。私たちの取り組みに賛同いただける、企業、自治体、市民の皆さま、様々なステークホルダーの方々にご参加いただけることを願っております。

名古屋大学 COI-NEXT共創分野
セキュアでユビキタスな
資源・エネルギー共創拠点
拠点長 松田亮太郎

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